投稿者のコメント
母の誕生日の夜に、家族三人で134号線をドライブし平塚の海まで行きました。 夜に海までドライブすることは、私たち家族にとって日常的でした。 その日は満月の夜でした。 誕生日だからと特別なことをしたわけではありませんが、三人でボードウォークに座り、コーヒーを飲みながら満潮の穏やかな、月明りを反射する海を眺めていました。 静かな波の音を三人で聴いていた日のことを、曲にしようと思い作った作品です。 こんな曲なら、あの穏やかで静かな夜でも聴いていたくなる。そう意識して作りました。 時々、この日を母と思い出して、きれいな夜だったねって話たりします。 父が亡くなるとき、意識があるかわからない中、この曲を聴かせてその日の夜のことを語りかけたら、涙を流しているような気がしたのです。 音楽は、記憶を呼び覚ます力があると信じています。 独りよがりだったのかもしれませんし、本当に父に届いたのかはわかりませんが、最期に父にも聴かせられる音楽を作っていてよかったと思えた瞬間でした。

一覧にもどる